ランチ会で恐子さんの隣の席に
「せっかくだから、色んな人のことをよく知るために席はクジにしない?」
お店に着いて、みんなが集まるとハキ子さんがこう言いました。
ハキ子さんは既にクジを作って来てくれたとのことでした。
みんなに楽しんでもらうために、クジまで作って来てくれたなんて・・・
その日に集まったのは10人で、他のママさん達も私も賛成しました。
が、しかし、そこで恐子さんがボソっと一言。
「別に自分が好きな人と座れば良くない?」
・・・・・
いやいや、好きな人と言っても幼稚園が始まってまだ1週間ですよ?
好きも嫌いもないでしょうよ?
仮に好きな人がいたとして、「じゃあ私〇〇さんと座ります。」なんて、なんとなく変な感じになるじゃないですか。
他のママさん達も戸惑った表情をしています。
ハキ子: 「どうする?どっちがいい?」
ママさん達: 「・・・・・」
ここは意を決して!
私: 「ハキ子さんがわざわざ家でクジを作って来てくれたんだから、私はクジがいいと思います。」
ギャル子: 「私も色んな人と喋りたいのでクジがいいです。」
数名: 「うん、クジにしよー。」
そんなこんなで結局クジになりました。
クジの手順は、
まず、席に数字が書いた紙を置く。
次に、ら紙袋の中に数字を書いた紙が入れてあり、それを1人1枚引いていく。
引いた数字と同じ数字の席に座る。
というものでした。
順番にクジを引いていき、わたしの番になりました。
紙袋の中に手を入れて、1枚掴んで開いてみると、書いてあった数字は「7」。
やった!ラッキーセブンだ!
なんて思いながら席へ向かうと・・・
隣に座っていたのは恐子さんでした。
(うわぁ・・・マジか・・・)
心の声が出ないように、笑顔で、
「恐子さん、よろしくお願いします♪」
努めて明るく言いました。
返って来た言葉は、
「はぁ・・・。」
またか。
この人好き嫌いが思いっきり顔に出る人だな。
席に着き、近くに座っている人達で色んな話をしました。
この時に気づいたのですが、恐子さんは私が喋っても私の方を見ません。
目が合ってもすぐにそらします。
他の人に対してはそんなことはありません。
笑顔を見せて冗談も言って楽しそうです。
でも、私が何か言うとシラけた感じで返事もしません。
例えば、
Kくんママ: 「みなさん、何か習い事させてますか?うちはダンスです。」
恐子さん: 「えー!すごい!見てみたいなあ!」
Yちゃんママ: 「うちはリトミックです。」
恭子さん: 「リズム感良くなりそう!どんなことするの?」
って言う感じだったのですが、
私: 「うちはピアノを習い始めたばかりです。」
恐子: 「・・・」
ノーリアクション、一瞥もしない。
他のママさん達も、え?何この空気・・・
ってな感じで完全に不穏な空気を感じ取った様子でした。
え?なんで?
私嫌われてる?
でも、嫌われるっていってもほとんど関わってないんですけど・・・
他の人への対応と比べても、嫌われているのは確かでしょう。
でもその理由がわからない。
理由なき悪意に晒されて、沈んだ気分のままゆっくり時間が流れていきました。